勉強しても成績が上がらない中学生、その理由は?

よく「真面目な子だね」って言われるのに、成績は上がらないのはなぜでしょう
いつも一生懸命、勉強しているように見えるのに、なんで成績が上がらないのでしょう。 中学生本人も両親も先生もなんで成績が上がらないのか分からない。
ノートを見ればビッシリ書き込んでいるし、授業態度も真面目だ。学校や塾の宿題も忘れない。 親も先生も「真面目で感心な子だ」と言わんばかりに、「この子はこれから成績が伸びていくに違いない!」 と思ってしまいます。でも、実際、こんなに真面目にやっている(ように見える)のに成績は全然あがらない子がけっこう多かったりします。

理由は単純。勉強のやり方が薄っぺらいのです。勉強のやり方を観察すると、頭を全然使っていません。

こうした中学生にありがちなことは、
問題を間違えたら、答えを赤で書き写すだけで勉強したと勘違いしています。
「なぜ間違えたのか?」「ポイントはどこか?」なんて考えずに、解答を書き写す手の作業をしているだけです。

では、本当はどんなやり方をしていないといけないのでしょうか。
(例えば、数学や国語(記述)、英語(和訳、英訳)などの理解が必要な問題の場合)
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@問題を解く
A答え合わせをする
B解説を読んで理解する
C解説が分からなければ調べる
D解答・解説を隠して、すぐに解き直す
E数日後に復習する

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基本的に、この手順で学習を進めなくてはいけません。

成績の上がらない中学生は@⇒A(または@⇒A⇒B)までしかやりません。
Aまでやれば「宿題」は終わります。
周りから見れば「真面目に宿題をやっている」ように 見えますが、実際は手を抜いた学習の取り組み方です。

「C解説が分からなければ調べる」のは面倒くさい作業です。数学で分からないことが出てきたら、 前に習った単元まで戻って見直したりします。
意味の分からない言葉は調べなければいけません。 これをしないと結局テストで似た問題が出たとしても 間違える可能性が高くなってしまいます。

特に抜け落ちやす勉強法は、「D解答・解説を隠して、すぐに解き直す」です。 Bの時に「解説を読んで理解できたから大丈夫」と話している生徒に対して、 「じゃあ、解説を隠して今の問題を解き直して見せて」と指示すると、「あれ?解けない…。」となる場合が 本当に多いんです。解説を読んで理解したと思った直後ですら解けないのに、その後のテストで似た問題が出ても解けるはずがありません。

「解説を理解する」=「解けるようになる」ではありません。
一度覚えた解き方を、一度手を動かして解き直してみて、はじめて身に付くんです。 Dのやり方は頭に負担 を感じると思います。でも頭に負担がかかるから身につくんです。 例えば、腕の筋トレする時に、スポンジを持ちながらやっても筋肉はつきませんよね。 重いダンベルをもって筋トレするから筋肉が発達するんです。
学力も同じことです。頭に負担がかかるやり方であると感じて正解です。
C、D、Eをやらなくても先生にも親にも怒られはしません。宿題をやる、@、Aまでを期限内にやっておけば、 周りは「真面目な子だ」と褒めてくれるから、本人も満足するのでしょう。 でも、「学問を学ぶ姿勢」(「分からない」⇒「分かる」にする事)という意味では、実は不真面目な姿勢です。

また、社会や英単語などの暗記問題は「D解答・解説を隠して、すぐに解き直す」をしようとしても、 答えを覚えたばかりで意味があまりないので、問題集の1〜3ページ進めた後、答えを隠して 間違えたところを見直すのがいいでしょう。

Eの復習も忘れずに。数日前にやって間違えて×印をチェックしておいた問題を繰り返し解き直します。

普段@、A、Bまでしかやってこなかい中学生がC、D、Eまでやるようになると、 「今まで問題集1ページが15分で終わっていたのに30分かかるようになった…」と問題集を進めるペースが遅くなったことにストレスを感じるかもしれません。 それでいいんです。大事なのは問題集の問題の1つ1つをきちんと理解しながら進めることです。そこを忘れないでください。 友達が隣でどんなにサッサと問題集を進めていても、気にしないで自分の理解に合わせたスピードで 丁寧に学習を進めていきましょう。 それで目先のテストでは急に成績が上がらなくても、半年後には成績が必ずアップしているはずです。

そして何より大事なのには「自分は今までこんな楽ちんなやり方をしていたのか、 こんな楽なやり方で成績が上がるはずがなかった」と気づけることです。

自分で最適な進め方を判断できるようになることが大事
どんな時でも@〜Eの手順をくり返して問題集を進めるの?
と訊かれると答えはNOです。
「C解説が分からなければ調べる 」で何十分調べても分からないのに、意地になって調べ続けて時間を使いすぎるてもダメです。 一旦「?」という付箋(ふせん)をその問題につけて、あとで先生や友達に聞いた方が要領が良い場合もあります。 逆に、「この問題を解くためには、昔に習った単元を勉強し直さないといけない」と気づいたら、 一旦、1〜2時間かけて教科書に戻って復習すべきだと判断をする場合もあります。

また、超単純ミスしただけの問題に対して、「D解答・解説を隠して、すぐに解き直す」は飛ばす事もありますし、 解説を読んで理解しても、難しくて自力で解きにくい骨のある入試問題に対しては、Dに30分以上かけて解き直した方が良いと判断することもあります。

自分が苦手で覚えづらいなと感じることはEの復習を複数回やりますし、自信をもって大丈夫!と言えるなら Eを飛ばす場合もあります。

そもそも、ほとんど分からない単元の場合、「@の問題を解く」からではなく「B解説を読んで理解する」 からはじめたほうが効率的な場合もあります。その場合、Bのあとに一旦教科書を読んでから、改めて @に戻るようなテクニックもあります。

@〜Eのやり方の順番や重点の置き方を「状況に応じて、自分の判断で使い分けられるようになる」のがゴールです。

中学生の親や家庭教師は、その子がどうした手順で
『家庭学習』をしているか1度見直してアドバイスしましょう。

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