中学英語(英文法)の勉強法

◆中学1年の英文法の勉強法
中学1年で習う英文法の中でも特に重要なのが「be動詞、一般動詞、疑問詞のある疑問文」です。
中学2年、中学3年になっても英文法が苦手な中学生の大半はこの3つの文法がしっかりできていません。
この3つの英文法が一番ミスを引き起こしやすい部分です。
英語が苦手な中学生は「be動詞、一般動詞、疑問詞のある疑問文」を徹底的に復習する必要があるのです。

なぜこの3つの文法をしっかり復習する必要があるのかというと、英文法ができない一番の原因は、これらの文法事項の知識の混同にあるからです。
例えば、be動詞だけを習ったときは、定期テストでも皆それなりにできるのですが、一般動詞を習いだすと前に習ったbe動詞の知識が抜けて、両方の知識が混乱してしまうケースが多いのです。
be動詞の否定文を作る練習をしていると、一般動詞の否定文までつられてbe動詞の否定文の作り方を平気でやってしまいます。
英文法の基礎がまったく固まっていないからこういうミスを何度もやってしまうのです。
狭い範囲の定期テストの英文法で高得点を取っても、その文法事項をちゃんと理解していることとは別です。


多くの生徒は以前にならった文法は忘れてしまっています。
中学英語の文法のレベルは高校の英文法を知っているものからすれば、英文法の基礎の基礎でしかありません。
中学生でも英文法が本質的に「理解できない」という生徒などいません。
それでも、英文法ができなくなるのは、新しい文法を習うたびに、前に習った文法を次々に忘れていくから、いつまで経っても英文法ができるようにはならないのです。
(Are) you play tennis? などと言ったBe動詞と一般動詞の文法の区別がまるでついていない間違いをする生徒が多くいるのが現状です。

中1のときに英文法の基礎の基礎を確実に固めておかないと、中2、中3になっても英文法の基盤が築かれていないため、おかしな文法上のミスを多発することになります。
基礎の基礎を完璧にしておかないと英文法は一向にできるようになりません。
そういう意味で、中1の英文法がしっかりとできているかどうかが、その後、英語が得意になるか苦手になるかの要となります。

英文法を苦手にしない解決策は、前に習った文法事項に新しい文法を区別しながら積み重ねていくことです。
そのためには、英文法が体系的に整理された教材をしっかりと復習しながら取り組む必要があります。
学校の教科書だけではこの体系性に乏しいので英文法を習得するには不十分になります。

中学英文法では、熟語の一部分や、前置詞の用法などを空白にして答えさせるものが大半なので、知識さえ増やせば簡単にできるようになります。
知っているかどうかの知識を問うだけなので、基礎的な知識を入れたら、あとはひたすら問題集をこなします。
問題を解くという実践の中で知識を増やしていくやり方が効果的です。
(問題集を使うときは、先に解答を見て、なるほどと納得してから改めて問題を解く方法もあります。
知らないと解けない問題を長々と考えるよりも効率的です。
特に、今の自分の実力より難し目の問題集を使用するときはこの方法を利用してみましょう)

中2、中3で英語が苦手な人は一度、中1の英文法に戻って復習をして土台を固めながら、今習っている学年の文法を同時に習得していきます。
そのために使用する教材として、英語が本当に苦手な中1は『基礎からおさえる中1英語』を使用します。
この教材はbe動詞と一般動詞の区別をしっかりとできるようにするコーナーが用意されています。
また、品詞の働きも解説してあるのが素晴らしい。
本書を完璧になるまでやり込みます。
英語が学年平均レベルの中1は『わかりやすく学べる中1英語』を使用します。
集中セミナーで、間違いやすい点を補強しながら学べます。
英語の得意で学力のある人は『たのしい英文法』という中学英文法の古典的な名著に挑戦しても良いでしょう。
英文法を深く理解しながら学べるので、これ一冊をしっかりと習得すれば確かな文法力が身につきます。
基礎が固まり応用に入りたい人は『最高水準問題集英語 (中学1年)』で公立入試レベル以上の問題を解いて実力をつけます。
中学1年では「主語」しっかりと見つめ「主語や人称の把握」「代名詞への転換」などは完璧にできるようにします。
そうすることで、中2、中3になっても知識が混乱したりすることなく英文法の確かな力を獲得できるようになります。

◆中学2年の英文法の勉強法
中学2年で英語が苦手という人は中学1年の英文法の復習からはじめる必要があります。
例えば、中2で習う文法の「不定詞」は、文の要素である文法ではなく、「表現を増やす部分」です。
これを習う以前に、中1英文法の文の要素である文法は大切な土台なので、こちらを確実に取得することなしに、中2の英文法を学びはじめても浅い理解しか得られません。
英語が苦手な人は『わかりやすく学べる中1英語』で中1英文法をまず復習してください。
中1英文法の基礎は固まっているという人は『わかりやすく学べる中2英語』を。
中学英文法を先取りしたい人は『わかりやすく学べる中学英文法』で中学英文法の全体を学んでいきます。
中2で今が12月以降なら『高校入試中学1・2年の総復習英語』をやります。これは、品詞別に解説があり、英文法の解説が上手いです。
公立志望の人は代わりに『英語 基礎からできる1・2年の総復習』をやります。
こちらのほうが、公立入試の問題が豊富に収録されているからです。
最難関私立を目指す人は『中学生のやさしい英文法』か『Aクラス選書 中学生の英文法』に挑戦してみても良いでしょう。
中2英文法の基礎が固まった人は2冊目に『最高水準問題集英語(中学2年)』で入試レベルの問題を解き進めます。

◆中学3年の英語の総合的勉強法
中学3年は夏休みまでに、『高校入試中学1・2年の総復習英語』や『英語 基礎からできる1・2年の総復習』で中学1・2年の復習をしておきます。
中学1・2年の英文法の基礎が固まっていて、難関私立を目指す人は、『最高水準問題集―高校入試英語』や『難関突破精選問題集英語』で難問を解き進めます。
最難関私立の英語長文問題を解けるようにするために『英語長文難関攻略30選』で長文を読む訓練をします。この英語の長文読解用の問題集は文法解説が充実していているので英文読解の力をつけるのに最適です。

英語長文難関攻略30選』の使い方…
やり方としては、
@長文を自力で読んで問題を解く
A解説と全訳を読んで答え合わせ、英文を理解する。
B英文の内容(単語、熟語、文法、訳)を頭に入れた上で英文を音読する。
音読の途中で英文の意味が掴めなくてつまずくことがなくなるまで繰り返し音読する。
文法の解説も思い出しながら音読。
3回は音読して、最終的にスラスラ読めるようになること。
C翌日、新しい問題に進む前に復習として英文の音読を1〜2回。
ここで、意味の取れなかった単語があったら解説で意味を確認する。
D翌々日も最低1回は復習として同じように音読をする。
Eこの方法で1周目が終わったら、またはじめの英文から最低1回ずつ音読をし直す。
英文の意味が取れず音読でつまずいたら、また解説で意味を確認していく。

「意味を捉えた上で読める英文」を大量に蓄積することが英語力をつける一番の方法です。
この30個の英文を読み込めば、長文問題の中で頻出な文法や構文、単語や熟語が習得できます。
読解問題を解くコツも分かり、英文を読むスピードも飛躍的にアップします。
時間のある人は上のやり方の@とAの間に「全訳」に挑戦してみます。
時間はかかりますが英語力の底力がつきます。

公立高校の受験生には、上の問題集は難しいので『公立入試の過去問』にある英語長文で英文を読む訓練をしてください。
英語長文の勉強は「音読」が非常に大事です。
ただし、長文に出てくる単語の意味、文の構造を理解した上での音読でないといけません。
頭の中が空っぽで英文の意味も把握しないで読むだけでは無意味です。
音読をしていると「返り読みしないで英文を読める」ようになり、英文を読むスピードが上がります。

基礎の固まっている公立上位志望、中堅私立を志望する人は『高校入試合格とれる!英語―スタンダード版』で問題演習をします。
公立志望の生徒の入試直前期は『高校受験用正答率50%以下の入試問題英語』を使って公立入試で間違いやすい問題をピンポイントで解いていきます。
反対に『正答率50%以上の入試問題英語』は、基礎学力自体が怪しくて、公立入試で大半が正解する簡単な問題を確実に解けるようにする演習用に使います。
最後の仕上げに声の教育者東京学参の『志望校の過去問』か公立入試の過去問の『全国高校入試問題正解英語』で演習します。

参考:中学英文法の問題集レビュー
   中学英語の問題集レビュー
   中学英文読解の問題集レビュー

◆中学生の英作文の勉強法
英作文は「和文英訳」と「自由英作文」の2種類に別けられます。
和文英訳は与えられた日本文を英文に英訳すること。これは英文法の知識がないとできません。
自由英作文は与えられた課題についての感想を英作文で書く方式です。
自由英作文は難しい単語や文法を使わず、簡単な単語で表現したほうが高得点を狙いやすくなります。
自分の思っていることを簡単な英語で表現する訓練を普段の英語学習で取り入れておきたい。

英作文は中学生1人では採点できないので、答案を添削してくれる指導者を見つける必要があります。
学校の英語の先生に添削(てんさく)を頼むかZ会の英語コースを受講するかして対策を立てます。



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