中学数学の勉強法(学年別)

◆中学1年の数学の勉強法
中学1年が一番に取り組むべきことは確かな「計算力」をつけることです。
小学校の6年間でいったい何を一体学んできたのか、
計算ミスならまだしも「算数の基本」すら身についていない中学生が多すぎます。
少数計算は出来ない、少しだけ複雑な分数の計算となると式転換を守らないでいい加減な計算をしたり
( )の付いた式の計算ルールも身についていない。
今の公立中学1年の持っている計算力には鍛錬された形跡が見えません。

単純な約分忘れ、少数の分数への転換がいい加減、
計算問題の上にちょこちょこっと小さな字で計算して答だけを書いたりなど、
計算の悪いクセを直さないまま中学生になった生徒が多いのです。
たとえ、その計算方法の間違いを指摘しても、時間が絶てば同じ間違いを繰り返すのが普通の中学生の姿です。
ゆえに、計算の注意点も含めしつこく教えていかなければなりません。

次に計算スピードが重要です。計算がめちゃくちゃ速い必要はありませんが、ある程度のスピードは必要です。
計算というのは条件反射で手が動くぐらいに習熟していないと、問題の周辺に気を回すゆとりが持てません。
手を止めて考えながら計算してるようでは計算の練習量がまだまだ足りていない証拠です。
確かな計算力をつける努力をしてください。

次に、図形です。
ノートを使って、問題の図を手書きですばやく正確に書ける訓練をしてください。
こういう作業をすることで複雑な図を深く見る目が養われます。
この作業から養われた図形への鋭い感覚は入試で役立ちます。

最後に、数学の授業について。
数学では各単元のはじめを教える授業が一番大事なので、しっかり聞いてください。
その単元に慣れてきたら、あとは授業で指示された以上の問題を個人的に解いていけばOKです。

◆中学2年以上の数学の勉強法
中1数学はまったくの基本、土台ですが、中2数学の1次関数の応用からは受験数学に繋がってきます。
数学という科目には「応用問題」になると壁というものがあり、それを解くためのテクニックを詳しく指導しても、
それを身につけて他に活用できる生徒が極めて少ない。
難関私立入試にはレベルの高い難問が多く、それが解けるかは、個人差の大きい「数学的能力」によります。
しかし、公立入試に出題される「典型的な応用問題」ぐらいは、解けるようにしてもらいたい。
中学1年では計算を中心に習得し、中2からは「思考力」を問われ、習ったことを応用する力が要求される単元が出て来きます。
そのためには、質を大切にして良問をじっくり解くこと、粘り強く問題を考える習慣を身につける必要があります。

5教科の中には、得手な教科、苦手な教科とあるでしょうが、頑張って努力すればそれなりにできるようになります。
その中で数学の基本から応用に繋がる思考力には、中学生の個人差が大きいのです。
入試数学で差のつく応用問題、大半の生徒は理解ができても、自分で解く力を身につけられていません。

ではどうすれば応用問題を解く力が身につくのか?
それは多くの問題をこなし、ノートに正確に式を書いて(式がいい加減な生徒が多すぎます)、粘り強く問題に取り組むことです。
問題を解いて間違えたら「その問題を解くためのポイントは何だったのか?」考える時間を持つことです。
日々のそうした細かい努力により応用問題を解くための学力がついてきます。

数学の応用問題を解く力というのは、他人に教えてもらって身につく力ではありません。
他人に解き方のコツを教わっても後に残りません。簡単に忘れます。 
自分で考え、分かったこと、気づけたことだけがあなたの実力になります。
これが数学の応用力をつける真理です。

数学の力のある生徒は、粘り強く自分の力で、なんとしても解こうとします。
しっかり解ければ、そのポイントを自分で確認します。解けなければ、なぜ解けないのか、
その原因を自己のつまづきの箇所を突き止め、しっかりと理解します。

その一方で、大半の生徒は、数学の応用問題への手がかりを使いこなすことができていません。
理解が表面的で、問題の意図すら分からず、うろうろと問題の周辺をぐるぐる回っているだけです。
分からないところを自らの力で考える習慣を放棄しているため、
他人の助け、ヒント、解説をもらってから考えることを当然としています。
そして、詳しい解説を聞いて分かった気でいるけれど、翌日には同じ問題ですらできなくなっています。
これではいつまで経っても解けるようになりません。

◆中学数学の定期テストの点数は実力ではない
普段の定期テストで60点程度を取っている生徒が、入試直前期に公立入試の過去問を解いたら30点ぐらいの実力です。
問1の計算問題で2問ほどミスをして、問2から問4ではじめの1〜2つ解けて30点程度です。
ここから点数を上乗せしていくのは、公立入試の過去問を少し解いたぐらいでは簡単には上がりません。
ここには、3年間の数学の学習に対する深さが原因にあります。
公立高校入試の数学は厳しいのです。

入試では関数と図形の問題が大半です。
それゆえ、入試対策を徹底して関数、図形の問題に取り組んでいかなければなりません。

数学は他の教科に比べ、暗記量が極めて少ない科目です。
しかし、それでも実際の中学生は、公式ですら平気でどんどん忘れるものです。
範囲のせまい定期テストは、数日前にちょっと対策するだけで点数はある程度取れてしまいます。
それを実力と勘違いしてはいけません。


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