やる気のない中学生の子を持つ親の心得


中学生にメリハリをつけさせる
親が子供に対して怒るのはどういうときでしょうか?「来週、テストがあるのに、いつまでたっても勉強をはじめない」というときではないでしょうか? 実はダラダラしている時間というのは充電している時間なのです。ダラダラしているとはじめのうちは心地よいのですが、だんだんそういう自分が嫌になってきます。「そろそろ勉強しないといけないな。いや、もう少しだらけていよう」と思う存分ダラダラして、「これ以上ダラダラしているとヤバイ!」というぐらいだらけて、もう、ダラダラするのは飽きた!今から2時間思いっきり集中して勉強をやるか!」と勢いよく跳ねて起きて勉強をやるのです。こういうときこそ高い集中力を発揮できるのです。ダラダラとする時間があるからこそ集中して勉強ができるのです。 このダラけているときに誰かから「早く勉強しなさい!」と命令されると、せっかく充電したエネルギーが一瞬で0にされ、もう一度、最初からダラダラをやり直さないといけなくなります。

部活をやっている中学生の一日の生活は忙しいはずです。居心地の良い家庭でダラダラと過ごす時間はたくさんは取れません。受験生でもない限り、家庭では「ある程度」ダラダラする時間も必要です。メリハリのある環境が大切です。

子供に「勉強しなさい」とだけはいってはいけません。「今やるところだったのに、やる気をなくした」と反抗された上で、子供は勉強のやる気を失います。「勉強しなさい」という言葉は最悪のセリフなのです。 親自身にも子供の頃に「勉強しなさい」と命令されて嫌に感じた経験があるはずなのに、親になってしまうとコロッと忘れてしまうようです。 特に日本のエセ教育ママほど、「勉強しなさい」を連呼するみたいです。子供のやる気がなくなるだけだと気づいていません。

「褒める」のが大事なのになぜ褒めないのか?
教育本をそれなりに読んだことがある人は子供を「褒める」ことが教育において重要であることはご存知だと思います。 では、普段から意識的に中学生の子供を褒めてあげていますか?ここでは、褒めるのが大事なのになぜ褒めようとしないのかを考えていきます。

心理学には「人は平均回帰の効果を過小評価しやすい」という考えがあります。この言葉だけでは難しいので、例をあげます。 例えば、中学1年の時の成績がきわめて良かった中学生の親は、その翌年の中学2年にも同程度の成績やそれ以上の成績を期待しがちです。しかし、「平均回帰の効果」を考慮に入れると、その子の成績は実際は今後下がるという予測できます。そしてその予測が一番当たりやすいのです。

さらに詳しく説明します。ある中学生が受けた2つの定期テストの成績の相関を考えてみましょう。それぞれの成績は、その中学生の能力が真に反映された部分と、それを幾分か上下させる偶然の誤差」の部分から成り立っていると考えられます。 例えば、いくつかの解答は単なる当て推量であり、それらは偶然によって正答になったり、誤答になったりします。定期試験前によく眠れたか、眠れなかったかなども成績に影響するでしょう。 そこで、極めて良い成績というのは、優秀な中学生がたまたま好条件に恵まれて、偶然をも味方につけた結果であるとも考えられるが、それこそ飛びぬけて優秀な中学生の真の能力がたまたま不利な条件で十分に発揮されなかった結果であるとも考えられます。 しかし、前者のほうが後者の場合よりも多いはずです。というのも、飛びぬけて優秀な中学生は、単に優秀な学生よりも、はるかに少数しかいないからです。 そうであるとすると、ある時に極めて良い成績であった中学生も、次の時には、それほど良い成績ではなくなる可能性が高くなります。なぜなら、次回もまたそれほどの偶然に恵まれるという可能性は少ないからです。 同様の論理から、1回目に極めて低い点数を取った者の成績が、2回目には良くなる傾向が高いといえます。

xとyの値が相関していれば、xの値によって、yの値を予想できます。xの値が極端に大きいものであれば、yの値も相当に大きいものであると予想されます。 しかし、こうした直感はしばしば行き過ぎることがあり、xの値における極端さをyの値にも同程度にあてはめてしまうのです。 この平均回帰の概念を本当に理解していないと誤った認識をしてしまうことが多くなります。素晴らしい成績のあと、成績が落ち込むと、「怠けたせいに違いない」と誤解釈されるのです。 またその逆パターンもあるでしょう。実際には良い状況も悪い状況も長く続かず、平均から離れた数値は次回は平均に近い数値になる確率が高いのです。

さて、ここで本題に戻ります。この平均回帰の誤信は、親や教師が子供の教育に用いる褒美や罰の効果についても、謝った考えを植えつける原因となっています。 教育心理学者たちは、子供のする望ましくない反応を罰するよりも、望ましい反応を褒めてやることのほうが、一般により効果的であると多くの実験データから判断しており、たいていの教育本にも「子供は褒めて伸ばそう」と書かれています。 ところが、エセ教育ママや未熟な教師には、こうした事実は受け入れがたく、昔も今も大半の親たちが好んで使うしつけの手段は、褒めることではなく、叱ることにあります。 褒めることがあらゆる教育本や心理学の本で推奨されているにも関わらず、親たちはなぜ叱ってばかりを止めないのでしょうか。

これも回帰効果で説明できます。というのは、回帰効果が、褒めることの真の効果を隠すと同時に、叱ることの見せかけの効果を生み出していると思われるからです。 褒められるのは、多くの場合、子供が特別に良いことをした後です。ところが、ここでも回帰効果により、そうした特別に良い行為の後には、平均して、それほど良い効果が続かないと予想できます。 それゆえ、褒めたことは効果がないように見えたり、反対に、むしろ逆効果のように見えてしまうのです。 それに対して、同じ回帰効果により、もともと悪い成績の後にはいくぶんかの向上が見られる傾向がある為、悪い成績の後に 与えられた罰は効果があったように感じられてしまうのです。

理解できたでしょうか。「経験則による教育」はどうしても叱ってばかりになってしまうことが分かります。もちろん、子供をどうしても叱らなければいけない場合もありますが、叱ってばっかりでは子供のやる気を奪うだけです。 しかし、「褒める」ことはタダでできますし、あなたが褒めるのが苦手で、不器用な褒め方しかできなくても、やらないよりはマシです。 蛇足ですが、「具体的に褒める」ことが大事ですね。またその為には普段から子供の言動に関心を持っていないとできません。

親の干渉は悪い影響を及ぼすケースが多い
成長期の子供の身体は本人の意思に関係なく増え続けます。また、周りの子供と一緒に遊びながら自然に運動能力を高めていきます。同様に、無理のない正しい生活をしていれば、自然と学力も伸び続けます。 学力を日々伸ばし続けるには「子供の自発的な意思」が必要です。子供の好奇心は強く、子供が興味をもって何かに没頭する様子を見守ることが大切です。気をつけないといけないことは、その自主性だということです。 「やらせなければいけない」と無理強いしようとする気持ちを持たないことです。 子供の成長を願うのは、親として当然の気持ちです。しかしながら、「やらせなければいけない」と強要させる親の意思は子供の成長を考えてというより、「親自身の不安を解消したい」という気持ちからのほうが大きいようです。 親が義務感から何かを子供に押し付けるようになると、子供の自発性は失われ、学力の成長がストップします。それでも親の権限を利用した強制的なやり方で、無理矢理に子供に勉強させることは可能です。しかし、そんな方法では、目先のテストの点数が伸びても、長い目で見ると学力が伸び悩む結果となります。 強引にやらせることは、インコに言葉や九九を覚えさせるのと同じことです。本人の意思で、勉強に没頭する環境でなければ、本当の学力は身につきません。

ではどうすれば良いのでしょうか?たいていの親は子供の後押しをしようとします。子供自身に「前に進もうという心の準備」ができていればこの後押しは効果的ですが、そうではない場合、いきなり後ろから押されると、子供は押し出されまいと抵抗をはじめます。そういう時は、ひとまず力を緩めて様子を見なければなりません。親はつい気ばかりが焦って、さらに強い力で前に押し進めようとします。 すると子供は大人の力には敵わないので、進みたくもない方向に強引に押し出されてしまいます。やりたくもない宿題を大量にやらされて、それで結果が悪いとなじられます。無意味な挫折感ばかりを感じ、子供は無気力になっていきます。強引な方法は短期的には効果があっても、長期的な学力を養うことには向いていません。 (※高校入試を間近に控えて成績もまずいのに、まったく勉強しない子供の場合は当てはまりません。この場合、家庭教師でもつけて強制的に勉強をやらせるしかありません。しかし、それもその場しのぎに過ぎません。)

今回はやる気をあげる以前の問題として、子供のやる気を失なわさせる「やってはいけないこと」に焦点を当てました。

中学生を読書好きにさせる方法
中学生の子供と一緒に買い物に行った時に、本屋によります。 そこで「どんな本でも1冊だけ買ってあげる。興味のある本を一冊選んできなさい。マンガは駄目だよ。」と言いましょう。 その時、子供が選んできた本がギョッとする本でもできるだけ目をつぶって買ってあげます。 そして「中学国語(現代文)の勉強法 」で述べたように、「買った日のうちに50ページは読んだほうが良いよ」と指導します。 その後、子供がその本を読まず終いにしても気にしてはいけません。部活、学校の宿題、塾のある中学生の生活は忙しいです。そんな少ない自由時間を読書の時間ばかりに使えないかもしれません。また別の日に新しい本を買って与えます。これをひたすら続けます。 子供が興味のある本を自発的に選んで、自分の意思で本に没頭して読み進めることが重要です。

ところで、ビジネスには「アイデアを出した人間にそのアイデアの企画責任者をやってもらうのが良い」という考え方があります。 自分で思いついたアイデアは自分が一番大事できますし、他人のアイデアの企画には愛着がないので責任をもって取り組めない場合があるからです。 同様に、自分が興味をもって選んだ本は、他人に無理矢理に読まされる本より楽しく読めるものです。 子供自身が好きな本をひたすら読んでいくと、子供の「読書体験」はどんどん良いものになっていき、自分の小遣いを使ってでも本を読みたくなっていきます。 こうして多読によって漢字力、読解力がついてくると、難しい本がだんだん読めるようになります。難しい本を読むことに対してハードルが下がっていけば、受験にも有利ですが、なにより子供の将来性が間違いなく高まっていきます。 高校受験対策というほど即効性はありませんが、本を買い与え続けるのは、長い目で見て子供に対する投資の中でも見返りが高い方法の一つではないでしょうか。


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